2009年5月1日金曜日

ボラ便り VOL.6~VOL.10



 ボラ便り VOL.6~VOL.10




ボラ便り Vol.6    (2007/12/08)




 



お久しぶりです。



一ヶ月の休暇をはさみ、その間のお客様にはご不便おかけしました。



 



休暇から戻って、まず大変残念なニュースがありました。



ダイブサイト「ムリムリ」のアイドル、ナポレオンフィッシュのモモがスピアフィッシングの犠牲になってしまいました。いつもダイバーが行くと、向こうから見つけてきて、ずっと付いてきてくれてました。ダイバーと一緒にいるのが本当に好きな、かわいらしい子でしたが、もう会えないかと思うと本当に悲しいです。もともとは餌付けで人に馴らされて、その漁師が来たときもきっとモモのほうから寄っていったのでしょう。ダイブサイトでフィッシングというのも問題外ですが、これが人の勝手な都合で人馴れさせてしまった結果なのでしょう。毎日ショップで流れるビデオの中のモモを見て、なんとも愛し悲しく思います。



 



一方で、ハピティにまた別のナポレオンが登場しました。以前からたまに3匹ほど見かけることはあったのですが、最近モモより一回り小さいぐらいの、大物が現われ始めました。これは普通のナポレオンなので、そう近寄ってくることはありませんが、以前より頻繁に見かけるようになりました。また、以前はめったに見られなかったレモンシャークもハピティによく訪れるようになっています。



 



マダラトビエイの「トプア」。10月11月とめっきり遭遇率が下がってましたが、流れがいい具合に変わってきて、再び見られるようになりました。先日も20枚ほどの群れに2度遭遇し、そのうち一枚は恐れることなく私たちのすぐ前をゆったりと泳ぎ、ずっと付いていくことができ、かなり間近で見ることができました。このサイトには最近アカエイもよく見られますが、どういうわけか、いつも一匹のテンスといっしょです。



 



いいニュースといえば、かつての「マンタポイント」、現在の「アナウ」がダイブサイトとして公式に復活したことでしょうか。ここ最近は2度に一度の確立でマンタに会えます。今日は5m級の大物に遭遇しました。



 



ボラでは、きっちり12月頭から雨季に突入しました。ここ一週間毎日雨です。今日は久しぶりに曇りで、いい感じです。雨でもダイビングに支障がないかぎり、毎日潜ります。今は南西からの風で、ムリムリなどは穏やかでとてもいいダイビングができます。ただ、今年はしっかり暑くなる前に雨季に入ってしまったので、水温が上がらず、まだ27度前後です。












ボラ便り Vol.7    (2008/01/09)




 



イアオラナ。(タヒチ語の「こんにちは」です)



明けましておめでとうございます。



昨年はいろいろとお世話になりありがとうございました。



今年もどうぞよろしくお願いいたします。



 



年末年始の数日は今年一ほどの忙しさになりました。



日本人のお客様の中にもすでにいっぱいでご希望通り潜っていただけない方もいらっしゃって、大変申し訳ありませんでした。



 



12月は雨が続き、気温も上がらず、ダイビングには寒かったのですが、ここ最近天気が落ち着き、ダイビング日和がつづいて、ありがたいことです。



水温が浅いところだと28度にようやく上がりつつあります。



以前回復したダイブサイト「アナウ」、かつての「マンタポイント」ではかなりの確率でマンタが見られています。透明度は決してよくはありませんが、マンタが見られるところというのはそういうものですね。



先日は潜ってすぐに2枚のマンタと遭遇し、約 40分のダイブ中ずっと一緒にいることができました。今日も一枚と遭遇し、20分ぐらいは同じところをぐるぐる回ってくれました。しかも今日は途中大きな ナポレオンが横切ったり、最後にはマダラトビエイも遠いながら2枚飛んでいき、なんともラッキーなダイブでした。何回見てもつくづく優雅な生き物です。先 日などはすぐ真上を手が届くぐらいの距離を旋回してくれたり、すぐ真横や足元などかなり近づいてきてくれました。マンタに近づくには動かないことです。 じっとしていると向こうから寄ってきてくれます。よくカメラを持ったダイバーが突進していったり、まだ初心者の方がばたばたしていたりしますが、そうする とまず去って行ってしまいます。マダラトビエイのときもそうですが、私たちはブリーフィングのときにに必ずお客様に、マンタあるいはマダラトビエイに遭遇 したら、そこにへばりついて静かにしているようにいいます。そうすればたいていかなりの近くを泳いでいってくれます。



 マンタとは別に、最近「タプー」でテンスモドキの幼魚が見られます。成魚は大して面白くもない魚ですが、幼魚のときはその形、模様がなんともへんてこで面白いのです。頭の上に二本アンテナのようなものが立っていて、水の動きに合わせてふわふわと泳いで(?)います。



 最後に一つ注意事項。「ハピティ」に巣をつ くっているゴマモンガラがいます。通行には注意しましょう。ゴマモンガラに襲われたときは上に上がらず、後ろ向きにフィンで戦いながら水平に泳ぎ去ること です。テリトリーから出ればもう襲ってきません。たまに笑い事ですまないことも起こりますが、こういうのにも遭遇するのもなかなか味があるものです。魚た ちもそれぞれ一生懸命生きているのだなあ、と実感する瞬間です。












ボラ便り Vol.8   (2008/02/28)




 



みなさま、こんにちは。



ボラでは雨季がほとんど終わりに近づき、いい天気が続くようになりました。日差しが強く、水温もようやく少し上がって、28度になりました。まったくの凪の日は、海が鏡のようで、天気がよい日は、ラグーンの水面に青い空とオテマヌ山がきれいに映ります。



 



今回はボラで見られる私の好きな魚を紹介しましょう。



 



泳ぎ方が好き部門:



ナポレオンフィッシュ:ナポレオ ンはべラですから、べラはみんな同じ泳ぎ方をするのですが、ナポレオンは大きいのでそれが際立ちます。正確になんと言うのでしょうか、胸鰭でしょうか、え らのすぐ横のヒレですが、それを左右同時に前に向かって開き、また体に沿わせて閉じ、ピッコピッコと泳ぎます。これを正面から見るととてもかわいい。以前 ムリムリにいたモモはダイバーを見つけては向こうからやってきました。ふと振り向くとモモがまっしぐらにこちらに向かってきます。そのとき真正面から見る ことになるので、この顔の横のピコピコがよく見えました。実際にはナポレオンを正面から見られることはめったにありませんが、もしチャンスがあれば正面か ら見てみてください。モモはいなくなりましたが、ときどき同じぐらい大きいのが別のポイントで見られます。子ナポレオンならよく見かけます。



 



ゴマモンガラ:どうして彼らは傾いているのでしょう。体後方にあるほぼ同じ大きさの三角の背びれ腹ビレを同時に左右に動かして泳ぎます。しかしどうも斜め状態です。ゴマモンガラにそっくりで体が薄緑で顔が薄ピンクのモンガラがいますね。日本名を知りませんが。(Giant triggerfish)トプアにいるこれはモモのようにダイバーを見つけてはあいさつに来ます。しかし巣作りをしているときは気をつけましょう。



 



フグ:ミゾレフグやネズミフグが よく体験ダイビングのポイントで見られます。やっぱり体が重いのでしょう、よく珊瑚の上にぽてちんとのって休んでいます。とても小心者なので、近づくとう わーっと逃げていきます。モンガラのように上下のひれを同時に左右に動かして泳ぎますが、モンガラと違って小さくて丸っこいヒレなので、ヒラヒラパタパタ という感じ(?!)で泳ぎます。また同時にエラの横のやはり丸いヒレも、これは左右を前後反対に動かします。前と後ろでパタパタするので、「そんなに必死 に逃げんでもー!」と思わず手を伸ばしてしまいます。



 



魚にも好奇心らしきものがあるのだなあ、というのが私が魚に興味を持ち始めたきっかけです。その前は魚図鑑すら目に入れないくらい、海の生物が気持ち悪くて大嫌いでした。まさか海で仕事をすることになるとは、お釈迦様もびっくりです。



魚と目を合わせてみましょう。見ています。












ボラ便り Vol.9   (2008/05/18)




 



こんにちは。



ここ1ヶ月は穏やかないい天気が続いてます。ボラは4月5月が一番いい季節です。たまに雨は降りますが、何日も降り続くことはありません。水温は少し上がって28度です。



 5月はタヒチのほうではサーファーが興奮す る季節です。世界でも屈指のサーフィンの大会がタヒチイチのチョーポーで開かれます。つわものの波乗りたちが、世界チャンピオンでさえ難しいという、かな り命がけの危険な波に挑戦します。サーフィンの発祥はなんとタヒチだそうです。この時期タヒチにいらっしゃる方は是非見ていかれたらいかがでしょうか。ア ドレナリン噴出間違いなしです。



 先日、かなり濃いトレッキングに参加してき ました。ポリネシア唯一の政府公認ガイドによる自然と歴史を知るトレッキングです。ガイドはアズディンといい、ポリネシア人でも、フランス人でもなく、モ ロッコ人です。彼はポリネシア人すら忘れてしまった彼らの歴史を掘り出して、国内で発表しています。発掘作業的なことも、ほぼ一人でやっています。彼によ れば、ポリネシア人ですらそうだと信じている歴史は、実はヨーロッパ人によって、作られたものであるとか。(これはどこでもそうですね。)



まずはポリネシア人がどこから来たのかから始 まり、彼らの居住地域、生活方式、宗教などをその跡地をめぐりながら説明してくれます。またボラがポリネシア文化圏(ハワイ・イースター島・ニュージーラ ンドからなる三角地帯)の中心だったといいます。現在海辺にのみ住むポリネシア人のもともとの生活圏は山の中で(今は“タブー(禁忌地)”)、木の実など 森の恵みでもって生きていたそうです。彼が強調していたのは、いかにヨーロッパ人がもといた人々の生活を破壊し、洗脳し、その国をのっとったか、というこ とでした。アメリカインディアンと同じような虐殺が行われ、かなりの人口が減少したといいいます。(いわゆる細菌兵器ですね。病原菌を免疫のない原住民に 広めちゃった。全く・・・)



最後には王の墓と思われている巨大なバンヤン の木(菩提樹の一種)に行き着きました。この木は枝から根を地面に向かって伸ばしつつ、同心円状、さらに横に広がっていくので、「歩く木」とも言われま す。樹齢千年以上というその木はさすがにどかりと周りを圧倒し、鬱蒼としつつも結構明るいそのあたり一面に、なるほど、聖地かもしれない、と思わせる雰囲 気を漂わせてました。



植物のほうも、野生のしょうが、唐辛子、ココのデザート、胡桃など、現地人もあるとは信じなかったもの、また、女王のハイビスカス、時計の花、そのめしべの先を傷につけるとあとが残らずすぐ直るという花、水の出る蔓など、いろいろ面白いものを紹介してくれました。



 考古学的考証は正直ちょっと眉唾もので(ポ リネシア人はタイから来た!など)、まあ、話半分に聞いてましたが、アズディンの歴史に対する情熱、ポリネシア文化に対する愛情は本当にものすごかったで す。ランチも取らずにずーっとしゃべり続けてるんですから。(教授のぐちも含め・・・)



 あまり書くとアズディンの仕事がなくなっちゃうので、ココまでにしますが、また違ったボラボラが楽しめ、ここがポリネシア人の国だと改めて認識させられました。



お勧めですが、ガイドは英語かフランス語のみです。





















ボラ便りVol.10    (2008/08/05)




 



こんにちは。



ボラはすっかり乾季です。ときどき風が強い以外は、とてもいいお天気が続いています。水温は26度です。



6月中旬から7月下旬にかけて、ボラではヘイ バというお祭りで盛り上がってました。本当はボラだけでなく、ポリネシア全体のお祭りなんですが、まあ、私はボラのことしか知りませんから・・・。この時 期、町の広場に夜店が立ち並び、その横の観客席つき広場で、毎晩タヒチアンダンスや歌が披露されます。ボラのような小さな島にも4-5の地区があり、ダン スなどを競い、最終日には表彰されるのです。芸能のほかにも、自転車レース、カヌーレース、タヒチアン槍投げ競技、石持ち上げ競技などいろんな競技が日中 にも行われます。私はダンスを2つ見にいきましたが、それぞれタヒチの神話などのテーマに沿った演出になっていて、それにあわせて毎年変わる衣装がなかな か素敵でした。タヒチアンダンスはいわゆる腰振りダンスですが、ハワイアンより、かなり早く激しいので、見ごたえがあります。髪を長くたらして、葉っぱの スカートやティアレの頭飾りなどをまとった女性たちが、微笑みながら、上半身はゆったり、優雅に舞いつつ、腰だけがものすごく振れているのです。男性はひ ざを動かします。力強いパーカッションがまたいい。ボラでは男性ダンサーが少ないのがさびしいですが、ボラのいいところは、かなり近くで見られることで す。タヒチはステージ上だそうで、遠いんだそうです。ボラは観客席(有料)の真ん前、無料の脇席(ござで場所取り、あるいは立ち見、隙間見)でも、目の前 でダンサーが踊っているのが見られます。スナック、ゲーム、おもちゃが売っている夜店も楽しく、なんと綿菓子を見つけ、思わず買ってしまいました。



 久しぶりにダイビングのお話もしましょう。



 先日、ハピティというポイントで潜りまし た。ここはツマグロザメがたくさんいて、ナポレオンもときどき見られます。普段は比較的静かなポイントなのですが、この日はやけに騒がしい。なんとナポレ オンが大中2匹いるではないですか。しかし動きがおかしい。よく見ると、周りにいるツマグロを追っ払っているのです。成魚でしたから、ツマグロよりも大き いのでツマグロは簡単に追い散らされていました。ふと脇に目をやると、ウツボがいました。ホワイトマウスモレイという口の中が真っ白の小さなウツボです。 わたしが「ほらほら、ウツボ!」とお客様に知らせようと指を指した瞬間、横からパクッ!・・・次の瞬間見たのは、そのウツボをくわえたツマグロ。それを追 跡する2匹の別のツマグロ。かれらは通常見られないようなものすごい勢いでで泳ぎ去っていきました。ウツボを食ったサメの口元にはまだウツボの身体が半分 たれていましたから、それを奪おうする殺気は喰ったサメより強かったです。喰われたほうも、喰ったほうも、大変です。野生の世界ですねえ。指した対象を奪 われてしまった私は呆気にとられてしばらく固まっていました。



 サメというのは、夜捕食行動をするものだと一般的に考えられています。ボラでは餌付けをするので、それを食べるのを見ますが、サメの自然の捕食行為というのはいままでの見たことがありませんでした。いやあ、ええもん見せてもらいました。



「ウツボをくわえたツマグロ、追っかけて、横取り、ねらうぞ、2匹のツマグロ♪」(サザエさん)











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